かなり久しぶり(1年ぶり)に何か書いてみようと思った矢先、ちょうど名護市長選が終わったタイミングだったため、そこで思ったこと、浦添市への軍港移設問題との共通点、今秋の沖縄県知事選について、素人なりにつらつら書いていきます。
1月23日に投開票が行われた名護市長選挙では現職の渡久地氏の再選に終わりました。争点の一つであった辺野古への普天間基地移設工事の是非については従来通り「国と県の係争を見守る」とし、賛否を表明しませんでした。賛否を表明しないことについての批判的論調が県内外紙で登場しましたが、過去に行われた普天間基地の辺野古移設の是非を問う県民投票の際にも「賛成」「反対」「その他」と、マル・バツだけでなく、△の選択肢も用意されていました。
民主主義の日本において、必ずしも賛成・反対といった
100対0、
ワンオアオールナッシングで物事を決められるものが全てではないうえ、政治的選択(特に生活に身近であればあるほど)をする際は国民の機微な心情を汲み取る必要もあると考えています。そういった意味でも「賛否を明らかにしない」選択肢があっても何らおかしくはないし、不満があれば選挙で落とせば良いだけです。「賛成」「反対」「その他」も民主主義、選挙を経ての当落も民主主義です。
民主主義は以外とシンプルですが、偏った意見ばかり発信する媒体(テレビ・新聞・ネットなど)にただただ依存すれば、自身の軸も偏っていき、「自分が無くなる」と考えています。それはある種「思考の停止」「思考の洗脳」とも言えるのではないでしょうか。偏るにしても、自身の軸を持ったうえで媒体の発信する情報を取り入れ、解釈し、真逆の情報も聞いて、改めて自身の軸がどこなのか、を確認してはじめて媒体の情報を支持し、以て直接・間接民主主義に参加するようにしなければ真の民主主義とは言えないのではないでしょうか。
少しだけメディアについて触れておきます。「偏った意見ばかり発信する媒体」の判断基準はさておき、なぜそういった事態に陥るのかについては2点あると考えています。
①スポンサーの存在・・・特にテレビに言えることですが、民放各局は番組放送にあたってスポンサー(後援、支持)の存在が不可欠です。資金提供をするスポンサーにとって不都合なことを報道するわけにはいきません。報道するにしても弱めの論調にならざるを得ないのではと思います。つまり、スポンサーの「考え」「意向」によって報道内容が変化してしまうことに繋がり、事実と異なる、もしくは事実がぼやけるといったことになってしまいます。私自身、そういった仕組みについては正直納得というか理解できるスタンスでいます。次の②と連動します。
②企業としての利潤追求・・・「メディアは第4の権力」と名乗っていますが、日本における利潤を追求する一企業であることは変わらず、従業員の雇用確保や関係企業への経済波及効果を担わなければなりません。そのためには当然
「売り上げ」が必要です。特に
「安定的な」売り上げが必要で、そのためには
「ドル箱」「固定客」「十八番」があればあるほど強固なものになっていきます。
「カップ麺といえば」「風邪薬といえば」「軽自動車といえば」「ファストファッションといえば」「子供服といえば」「家具といえば」・・・などなど。街中の看板、テレビ・ラジオCM、SNSでの発信、ユーチューブ広告などで、各社は積極的なメディア広告戦略を取っているのは自社製品の認知度向上、ひいては売り上げにつなげていく他ないのです。メディアにとっても同じで、度合いは違えど「偏った」「色のついた」報道をすることにより、それに同調する視聴者・講読者を取り入れることができ、継続して支持してもらえるようになり、
「安定的な売り上げ」につながっていくのではと考えています。
長くなりましたが、私は、特に②の点においてメディアは
「偏っていい」とのスタンスです(①の傾向が強くなると企業倫理上の問題や、真実がわからなくなったりする恐れがあるため。
NHKもっと頑張れ!)。大切なのは前述通り、メディアが発信する情報は「自身の軸」を持った上で受け入れの可否を判断することだと思っています。
名護市長選に関わる報道も、浦添市の軍港移設問題関わる報道についても全く同じで、自身の軸がどこにあるのかというスタンスが大事です。
「最大の争点」とメディアが主張したとしても、自身はどうか、自身の反対意見も聞いた上で受け入れるかどうかの判断が必要ではないかと考えています。
書きたいことからものすごーくそれたので軌道修正。今後の県内選挙のトレンドは
「生活・福祉の向上」になるかと思っています。「辺野古の工事は反対だけど、交付金で生活支援があるのであれば」「どうせ工事は止まらない」という方の記事もありました。あくまで出口調査ですが、「生活・福祉の向上」を強く訴えた渡久地氏に投票した人の多くが「辺野古移設問題」に関心があるとのデータが出ていました。つまり「積極的賛成」より
「消極的賛成」が多かったのではと推測されます。県内2紙がその立場寄りの論調も掲載されていたことが意外でした。「争点隠し」との見出しが紙面を賑わすと思っていたためです。ただでさえ県民所得が低い沖縄にあって、コロナ禍によって生活が脅かされた方も多数いたと思われます。
「不透明な公約」より「目に見える生活支援策」を名護市民が選んだと言えるのではないでしょうか。もし今、浦添市において、軍港受け入れを反対しなければ交付金で子供医療費や給食費などが無料になるとの話があれば、浦添市民はどういった判断を下すのかを考えましたが、はたして。
今年の秋に控える県知事選挙ですが、名護市長選と同じ流れになればオール沖縄勢力の敗戦の可能性が高まります。2022年度の国からのソフト交付金が減額されたことが知事選への火種になるかもしれないとの記事が今日の沖縄タイムスに掲載されていました。減額となれば各市町村の事業にも大きく影響してくることから、市民・県民の不満が国ではなく県知事に向けられる可能性が大いに考えられ、当然、反オール沖縄勢力はそこを追求してくることでしょう。両者とも「目に見える支援策」をどれだけわかりやすく訴えられるかが鍵になってくると思います。
オール沖縄と反オール沖縄勢力(国の与党支援側)の県知事候補者の発表があり次第、記事を更新できればと思います。